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浜田省吾さんのこと。自分の好きなもの。日々想うことを...

青竹  

時代小説・歴史小説は、ほんの数冊しか読んだ事がありません。司馬遼太郎や藤沢周平ぐらいですかね。

おさん

山本周五郎の短編集を読みました。この中に「青竹」と言う一編があります。以前、安西水丸氏がある雑誌で

”「青竹」の主人公、余吾源七郎のハードボイルドなことといったらない。チャンドラーが恥しい”とまで感想

を述べている。


時は安土桃山時代から江戸時代にかけての頃、関ヶ原の合戦での手柄を上申もしない一徹の武士、

井伊藩士余吾源七郎が主人公。後日、合戦の手柄を何故名乗らなかったのかと審問され「わたくしはただひとすじ

に戦うだけでございます、さむらい大将を討ったからとて功名とも思いませぬし、雑兵だからとて詰らぬとも存じ

ません」と答えるような男である。また夏の陣においても大阪城の陥落に結果的には大いに貢献した強者。


ある日源七郎に縁談話が来る。家柄もよくとても器量の良い娘であったが断ってしまう。

上役から妻をめとり、それがゆかりで出世したなどと言われかねないというのが理由だと答える。

その後その娘の病死を知る事となり、その頃から源七郎の旗指物に数珠が書き添えられるようになる。


数年後、出世した源七郎にまた同じ家から縁談話が持ち上がるが、また断るのです。

何故と問われ源七郎は「わたくしの眼には今なお美しいその人の姿がみえます。たったひと言きいただけですが、

その人の声もまざまざと耳に残っております。・・・・私の妻はその人、ほかに余吾家の嫁はございません」と。

本当はその娘に強く惹かれていたので、すごく後悔していたのでした。

娘の死後、旗指物に書き加えた数珠は生涯、供養を忘れぬしるしだったのです。


「青竹」のタイトルは主人公が合戦の際、竹槍を何本も備え戦う様とまっすぐ伸びた青竹を二つに割ったような人柄

だというダブルミーニングのようです。

ハードボイルドの定義はいろいろあるけど、これもまたちょんまげ姿のハードボイルドでしょうか。

当時は”固茹で卵”を食べていたのかな~。。。

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